腎症候性出血熱とは
腎症候性出血熱とは、ハンタウイルスというウイルスに感染することで発症する感染症です。
ハンタウイルスは齧歯類(ネズミなど)に寄生しており、
その排泄物や体液に触れたり、吸い込んだりすることで人に感染します。
腎症候性出血熱は、発熱、頭痛、出血、腎不全などの重篤な症状を引き起こすことがあります。
この記事では、腎症候性出血熱の原因、症状、治療法などについて解説します!
腎症候性出血熱の原因
腎症候性出血熱の原因となるハンタウイルスは、ブニヤウイルス科に属するRNAウイルスの一種です。
ハンタウイルスは、自然宿主として齧歯類を持ち、齧歯類の体内で不顕性感染を続けます。
齧歯類は、ハンタウイルスを尿や糞、唾液などに排出し、環境中に拡散します。
人は、ハンタウイルスに汚染された齧歯類の排泄物や体液に直接触れたり、
それらが乾燥して空気中に飛散した粉塵を吸い込んだりすることで感染します。
また、ハンタウイルスを持つ齧歯類に咬まれることでも感染する可能性があります。
ハンタウイルスには、腎症候性出血熱を引き起こすものと、
ハンタウイルス肺症候群という別の病気を引き起こすものがあります。
腎症候性出血熱を引き起こすハンタウイルスは、主にユーラシア大陸に分布しており、
ハンターンウイルス、ソウルウイルス、ドブラバウイルス、タイランドウイルス、プーマラウイルス等があります。
ハンタウイルス肺症候群を引き起こすハンタウイルスは、主に南北アメリカ大陸に分布しており、
シナノンブレウイルス、アンデスウイルス、ニューヨークウイルスなどがあります。
腎症候性出血熱の症状
腎症候性出血熱の潜伏期間は、通常1~5週間で、平均して2~3週間です。
症状は、軽症から重症まで様々ですが、一般的には以下のような経過をたどります👇
有熱期
発熱、頭痛、倦怠感、筋肉痛、吐き気、嘔吐、下痢などの全身症状が現れます。
発熱は39~40℃に達し、4~10日間持続します。
一部の患者では、眼球結膜の充血、出血性皮疹、出血性斑点、出血性胸膜炎などの出血傾向が見られます。
低血圧、ショック期
有熱期の後半から血圧の低下、脈拍の増加、ショック状態等の循環障害が起こります。
この期間は、数時間から数日間続きます。
重症例では、多臓器不全や死亡に至ることがあります。
乏尿期
低血圧、ショック期の後に、尿量の減少、血尿、蛋白尿、浮腫、高血圧、貧血等の腎障害が現れます。
この期間は、8~13日間続きます。
重症例では、急性腎不全に陥り、人工透析が必要になることがあります。
利尿期
乏尿期の後に、尿量の増加、電解質の喪失、低血圧、脱水などの利尿障害が起こります。
この期間は、10~28日間続きます。
利尿期の終わりには、尿量や血圧が正常に戻ります。
回復期
利尿期の後に、症状が改善し、体力が回復します。
この期間は、数週間から数ヶ月かかることがあります。
一部の患者では、腎機能の低下や高血圧が持続することがあります。
腎症候性出血熱の診断
腎症候性出血熱の診断は、主に血液検査によって行われます。
血液検査では、以下のような異常が見られます☟
血液生化学検査
血清クレアチニン、尿素窒素、カリウムなどの腎機能指標の上昇、アルブミン、ナトリウムなどの低下が見られます。
また、白血球数の増加、血小板数の減少、凝固系の異常なども認められます。
ウイルス学検査
ハンタウイルスに対する抗体の測定や、ハンタウイルスの遺伝子の検出が行われます。
抗体の測定には、ELISA法、間接蛍光抗体法、中和抗体法などが用いられます。
遺伝子の検出には、RT-PCR法やnested RT-PCR法などが用いられます。
ウイルスの分離には、Vero E6細胞などの培養法が用いられますが、効率が悪く、時間がかかります。
腎症候性出血熱の治療
腎症候性出血熱の治療については、以下のようなことが知られています↓
- 現在のところ、根本的な治療法や有効なワクチンはありません。
対症療法として、呼吸管理や血圧管理を行う必要があります。
- 重症例では、急性腎不全を起こす可能性があり、人工透析が必要になることがあります。
- リバビリンという抗ウィルス薬の投与は、予後の改善に有効との報告があります。
- 患者は、可能な限り早期に高度医療施設に搬送することが望ましいです🏥
腎症候性出血熱の予防
腎症候性出血熱の予防については、以下のようなことが推奨されています㊦
- 主な感染源であるネズミとの接触を避けることが最大の予防法です🐀
- ネズミが巣を作りそうな場所を失くしたり、食物を置かなかったり、殺鼠剤やネズミ捕りを使ったり、
ネズミが出入りできそうな穴を塞いだりすることが効果的です🐁
- ネズミがいると思われる建物に入る時には必ず空気の入れ替えをしたり、
激しく動き回らず埃を舞い上げなかったりすることが大切です🐭
- ネズミに噛まれた場合には、傷口を消毒し、医療機関を受診することが必要です👩⚕️
- ハンタウィルスは、薄めたブリーチ、洗剤、一般的な消毒液で消毒可能なので、
汚染されている可能性がある場所や物はこれらを用いてこまめに掃除することが望ましいです。
以上が、腎症候性出血熱についてのまとめです。
参考になれば幸いです。
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