総蛋白とは、血液中に含まれるタンパク質の総量を指す指標です。
タンパク質は、体内の様々な生理的機能を担っており、
総蛋白は栄養状態や全身状態を知る重要なスクリーニングとして用いられます。
本記事では、総蛋白の正常値や異常値が示す病気、測定方法などについて解説します。
総蛋白の正常値と異常値
総蛋白の正常値は、一般に6.5~8.0g/dLとされています。
ただし、測定方法や機器によって基準範囲が異なる場合もあるので、
必ず検査結果と併せて確認してください。
総蛋白が正常値から外れる場合は、以下のような原因が考えられます☟
総蛋白が高い場合☝
・脱水症:水分が失われることで血液中のタンパク質濃度が上昇する
・炎症反応:感染症や膠原病などで急性期反応性タンパク質が増加する
・血液疾患:多発性骨髄腫やワルデンストローム型マクログロブリン血症などで異常タンパク質が増加する
総蛋白が低い場合☟
・栄養不良:食事からのタンパク質摂取量が不足する
・肝機能障害:肝臓でタンパク質を合成する能力が低下する
・腎障害:尿中にタンパク質が漏出することで血液中のタンパク質量が減少する
・消化管障害:消化管からタンパク質が漏出することで血液中のタンパク質量が減少する
総蛋白の測定方法
総蛋白は、血液検査で測定されます。
採血した血液から赤血球などの血球成分を除去したものを血清と呼びます。
血清中に含まれるタンパク質は、アルブミンとグロブリンに大別されます。
アルブミンは約60%を占め、浸透圧や水分代謝を調節する役割を持ちます。
グロブリンは約40%を占め、免疫グロブリンや凝固因子など、
さまざまな種類のタンパク質から成ります。
総蛋白を測定する方法には、以下のようなものがあります⇩
- ビウレット法:ビウレット試薬と反応させることで青色に変色する度合いを測定する
- ケルダール法:タンパク質を硝酸によって分解し、窒素量を測定する
- 色素結合法:タンパク質と色素が結合することで発色する度合いを測定する
- 屈折率法:タンパク質の濃度によって屈折率が変化することを利用して測定する
総蛋白の臨床的意義
総蛋白は、栄養状態や全身状態を知る指標として用いられます。
総蛋白が異常値を示す場合は、肝臓や腎臓などの内臓の機能や、
感染症や血液疾患などの病気の有無を判断するために、
他の検査項目と併せて評価する必要があります。
総蛋白は単純な検査項目ですが、多くの情報を提供してくれる重要なマーカーです。
健康診断や人間ドックなどで測定された場合は、自分の数値と基準値を比較してみましょう。
もし異常値が見られた場合は、医師に相談してください👨⚕️
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